
© 2025 Yukihiro Kawaguchi
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川口幸広 写真展
『 たゆとうとき 』
2025年11月18日(火) ~ 2025年11月23日(日) ※12:00-18:00 (日曜17:00迄)
横浜、元町商店街のとなりに川が流れている。幼い頃に父親の自転車に乗せられてよく通った。はしけや小さな釣り船が泊まっていた記憶がある。世の中の景気が上に向かい始めた頃の学生時代は、こわれた船やゴミが捨てられていて臭いもあり、汚れた川に良い印象はなかった。社会人になり時間に追われる日々を送り、心も急いでいたので川を見る余裕などなく気にも掛けなかった。ゆっくりとした時間を持てるようになった今、あらためて川を眺めていると綺麗になっていることに驚いた。さらに風の強さ、潮の満ち引き、太陽の光などで川面の映り込みが、その時その時で違う表情を見せてくれることに気づくようになった。一瞬で変化して消えていく川面の表情。その時しかない過ぎてゆく時間の尊さを大事にしたいと思った。僕が生まれる前からずっとこの場所を流れている川。僕も街も変わっていくけど、川はいつもと変わらずに流れ続けている。
川口幸広 かわぐちゆきひろ
1953年4月横浜生まれ。特許情報のデータや検索ソフト販売会社に35年勤務し、2014年退職後、趣味である写真と音楽中心の生活を送っている。写真との出会いは、中学生の頃父親から借りたカメラ(ミノルタ1000 A5)を、修学旅行に持って行き友だちを撮影したこと。子供の成長やスナップ写真を中心に撮影していたが、2019年開催したGOTO AKI写真展「terra」に感銘を受け、風景写真を撮り始める。キヤノンフォトクラブ東京INFINITY会員。

© 2025 Masami Yamashita
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山下雅実 写真展
『 ホログラム 』
2025年11月25日(火) ~ 2025年11月30日(日) ※12:00-18:00 (日曜17:00迄)
毎朝セルフポートレイトを撮っています。
63歳を迎えた4年前、ステレオの右スピーカーの音が妙に弱く感じられることがあり、不安になって耳鼻科を受診すると、補聴器の使用を勧められました。少し戸惑いはありましたが、今では好きな音楽を以前と同じように楽しめています。このことをきっかけに、老いというものを自分のこととして意識するようになりました。
同じ時間、同じ場所、同じ構図で撮影される写真の私は、ほとんど変わらないように見えます。けれど実際には、身体の中では細胞が絶えず入れ替わり、皮膚はおよそ1か月、血液は4か月、肝臓は1年で新しくなり、数年で体内のほとんどの細胞が別のものに置き換わるといいます。67歳の私にとって、その変化はもはや成長ではなく確実に老いているということです。
セルフポートレイトを撮影するカメラの向こう側に広がる景色が気にかかり、三脚ごとカメラをベランダへ持ち出して、その風景も撮るようになりました。そこにあるのは、今日も明日もその先も変わらない世界です。
終わりのないこの世界と向き合い、老いてやがて終わる自らの存在を意識しながら、日々写真を撮り続けています。
山下雅実 やましたまさみ
1958年 福岡県北九州市生まれ。大学進学を機に上京し、卒業後はアパレルメーカーに勤務。結婚を機に物流会社に転職し、2024年退職。高校時代に写真部に所属し、その後写真から遠ざかっていたが、55歳から再び写真を撮り始め、PHaT PHOTO写真教室で学んだ後、鶴巻育子ゼミに7年間所属。主にスナップ写真で作品制作し続けてきた。今回が初個展となる。写真のほかにもゴルフ、DJなど趣味多数。




