Jam Photo Gallery
245280951_604163803935024_7722715037717955061_n.jpg

© 2021 Yumi Ishino

Next Exhibition

石野祐美写真展

『臍の緒』
2021年11月30日(火) ~ 2021年12月12日(日) 12:00-19:00(日曜17:00迄) 月曜休廊

「私は母の事が嫌いだ。

 母はフィリピン人で首都のマニラで生まれた。何人かいる兄弟の長女で、勉強や家事のかたわら、下の子たちの面倒を見て、仕事の手伝いまでしていた。家族が多く生活が大変だった中、家計を支えるため日本に出稼ぎに来た。不法入国し、不法就労だったが、フィリピンパブで働きながら日本語を覚えたという。そして父と出会い、結婚。私が生まれた。昔は母の事が好きだった。私が幼い時もフィリピンパブで働いていたが、化粧をしてきれいな服を着た姿で仕事に行くのが自慢だった。

 

 私が成長期になり、胸が膨らみ始めると、母は異常に私の体を触るようになった。さらに言動までも不快感を覚えるようになった。それから私は母への態度を変えた。触られれば突き飛ばし、罵声をあびせた。だが、やめてくれることはなかった。嫌がる私に反して、母は徐々にヒステリックになり、怒鳴ることが多くなった。母も私も異常なまでに執着し、関係も壊れていった。

 

 母は突然、家を不在にしていた時期が一年か二年ほどあった。家の中は母であふれていて、母がいない空間であるはずなのに、常にいるような感じがしていた。父と一緒に母の服やカバンをたくさん捨てた。まるで母が死んだかのように。それまでは母のいない空間を撮りためていた。母が帰国してからは、それはひどく怒られた。

 

 母の私物や家の中を撮影することが多く、なかなか本人を撮る気にはならなかったが、一年ほど前なんとなくカメラを向けてみた。私と母の間に何かつながった気がした。それはきっと親子である「血」だろうか。私と母の今の関係は何かと聞かれれば、それは今もわからない。ただ、昔へその緒でつながった母子であることには間違いないのだ。」

石野祐美 いしのゆみ

1995年生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。在学中に母親を題材にした作品を撮り始める。日本写真企画で編者として勤務後、写真家として活動を開始。PITCH GRANT 2021 ファイナリスト。

259515632_266284712018685_2831583775911873860_n.jpg

© 2022 Masato Takigawa

Upcoming Exhibition

滝川雅人写真展

『人人』
2022年1月18日(火) ~ 2022年1月30日(日) 12:00-19:00(日曜17:00迄) 月曜休廊

初めてインドに訪れ、溢れる人や車の雑踏、街に漂う濃い匂いと空気、肌に張り付く緊張感に全身が包み込まれた。

流れていく時間の中、そこで淡々と営みを続けている人々。

自分が置かれている状況とはまるで異なるものを目の当たりにした。

目まぐるしさと落ち着き。

淡々さとこだわり。

それらが混在した世界がそこにはあった。

今作品を通して、感じとっていただければ嬉しく思います。

滝川雅人 たきがわまさと

1992年 東京都生まれ
祖父が記録し続けてきた家族写真や8mmフィルムの映像に影響を受け写真に興味を持つ
2011年 東京工芸大学芸術学部写真学科入学
2016年 東京工芸大学芸術学部写真学科大学卒業
現在ファッションモデルとコラボした作品制作を主に活動している