
© 2025 Kazuyuki Okajima
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岡嶋和幸 写真展
『 NO DOGS 』
2025年6月3日(火) ~ 2025年6月15日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
「風土」をテーマに作品作りを続けている岡嶋和幸。Jam Photo Galleryでは4度目となる個展「NO DOGS」を開催いたします。今作の舞台となっている土地は、旅の途中に偶然たどり着き魅了されたそうです。もともと起伏の少ない平坦な場所を好むのは、生まれ育った環境が影響していると語る一方、ステートメントには初めて目にしたときの興味と不安が感じさせる文章が記述されています。過去の経験に繋がる光景、そして少しの違和感が混ざり合ったとき、人はそれに惹きつけられるのだと感じました。コンタクトプリントに写る数々の風景を見ながら、岡嶋が恐る恐る、そして淡々とカメラを向けている様子が目に浮かびました。今展では撮影年や撮影地を前知識として提示していません。先入観を持たずに写真に写っている風景を眺めて欲しいという岡嶋の思惑によるものです。
作家メッセージ
「この国を初めて旅したとき、"不毛な海岸地域"と形容される場所に偶然たどり着いた。丈の短い草に覆われたピート(泥炭)の平原と、大小たくさんの湖。これまで見たことのない地形が広がっていた。複雑な海岸線と点在する家々。地中から顔を出した無数の岩が入植を拒み、強烈な海風が吹き曝す。遠浅の海は、潮が引くと遙か彼方まで干上がる。その光景を目にしたとき、脳裏を過ったのは地震や津波のこと。いつかまた来たいと思ったが、ほかにも行きたい場所がありずっと後回しになっていた。数年後ようやく訪れることができたが、帰国直後に震災が発生。その惨状とこの荒涼とした大地の記憶が重なり、恐怖心からその後は足が遠のいてしまった。あれから時が過ぎて怖いと思う気持ちは薄れ、"野蛮で美しい"この景色をまた眺めてみたくなった。」
岡嶋和幸 おかじまかずゆき
福岡県福岡市出身、千葉県御宿町在住。東京写真専門学校卒業。撮影スタジオ勤務、写真家助手を経てフリーランスとなる。セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集『ディングル』『風と土』ほか著書多数。写真展も数多く開催している。

© 2025 Misaki Oguro

© 2025 Nazuna Saitou
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JPG's FAVE #4 大黒実紗希 × 齋藤菜沙奈
『 むすびめをほどく 』
2025年7月29日(火) ~ 2025年8月10日(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄) 月曜休廊
Jam Photo Galleryが注目の新進写真家をピックアップする JPG’s FAVE。第4回目となる今回は日本大学芸術学部写真学科でGOTO AKIゼミに所属する大黒実紗希と齋藤菜沙奈による展示を行います。旅の中で見出された感覚や記憶に耳を澄ますという点で、大黒と斎藤には「身体を通して世界とつながる」ことへの共通したまなざしが見られます。
GOTO AKI コメント
大黒は、都市で抱えていた孤独の奥にある「声にならない感情」を抱えながら沖縄を旅し、人々のやさしさや土地の光に触れたとき、自身の心が静かにほどけていく体験を写真に刻んでいます。一方、斎藤は、幼少期の事故によって失われた記憶と身体の感覚を異国の旅の中で静かにたぐり寄せながら、風や匂い、揺らぎの中に「生きようとする身体の反応」を写し取ろうとしました。身体の奥に眠る記憶や感情を出発点としつつ、それを風景や出会いの中に重ねていく二人の写真には、自己と世界のあいだにある目に見えない境界線をそっとなぞるような繊細さと誠実さが感じられます。心や身体の深層に宿る「記憶の感覚」を写し撮ろうとする斎藤と大黒の初の二人展。この機会にぜひご高覧ください。
大黒実紗希 おおぐろみさき
2002年静岡生まれ。日本大学芸術学部写真学科在学中。中学生のとき美術部に所属していたが、絵以外で自分の心を表現したいと思い始め、父から譲り受けたコンパクトデジタルカメラで写真を撮り始める。大学休学中に日本国内を旅行している中で、たまたま訪れた沖縄の風景や人々に心を奪われて以来、何度も通うようになる。普段はポートレートを撮影しているが、沖縄に行ったことをきっかけにスナップ写真も撮り始める。
『冬の砂浜』
齋藤菜沙奈 さいとうなずな
2003年東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科在学中。2024年イギリスのArt University Bournem-
-outhに短期留学後、3ヶ月間ヨーロッパを周遊。今までに26カ国を巡る。3歳から11歳まではダンスに熱中し、サポートダンサーとしてLIVE・MVなどに出演。その後は幼少期から行っていた絵に力を入れ、中学生で美術部に所属、そこで顧問の先生に借りたカメラをきっかけに写真を始める。毎日カメラを持ち歩き、日常のスナップを中心に撮影。展示やzineの制作などを行う。
『溶け合って、いつか陽だまりになる』