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© 2024 Yoko Fukuoka

Current Exhibition

福岡陽子 写真展
 ダイアローグ - 記憶術 II - 

2024年6月11(火)  2024年6月23(日) ※12:00-18:00(日曜17:00迄) 月曜休廊 

 

ここ数年、蝋引きした写真を組み合わせた作品を作っている。写真をプリントした紙に溶かした蝋を染み込ませると半透明になり、重ねた時に下の画像が透けて見える。昨年の個展「記憶術」では蝋引きした写真を使ったコラージュ作品を展示した。さまざまなイメージを重ねて、何かを思い出す直前に頭の中にある情景を表現した。

今回の作品は、過去の蝋引き写真のシリーズから選んだものが中心となっている。これらの作品には、蝋引きという手法以外にも共通点がある。どちらも撮影してから数ヶ月、あるいは数年間寝かせてから作品化しているのだ。撮影直後は写真と個人的な思い出の結びつきが強すぎる。時間が経ちイメージと素直に対話できるようになってやっと、写真を自分の作品にできるのだ。

作るたびに表現が複雑になってゆくような気がするが、あくまで写真で作品を作るということにこだわってきたのは、写真は撮影された時点では現実だった、という事実を気に入っているからだ。一枚の写真に共有されていたリアルが時間とともに横滑りし、そこにファンタジーの入る余地が生まれてくる。私は写真におけるこのような時間の作用に面白みを感じる。

捉えられたイメージを変容させていく「時間」そのものが形になった、そんな作品を作りたいと思う。そのための方法は未だ模索中であるが、これらのコラージュ作品は大きなヒントになる予感がする。作りながら考えながら、イメージとの対話は終わらない。

福岡陽子 ふくおかようこ

栃木県出身
1993 青山学院大学文学部第二部 英米文学科卒業
2007 東京写真学園レベルアップフォトレッスンコース終了
2010年より2014年まで 写真家 松本路子氏のワークショップに参加

 

■ 個展
2010 「世界パズル」ギャラリー・ニエプス(四谷)
2011 「本の街から」本と街の案内所 (神田神保町) 
2015 「本と物語、または時間の肖像」森岡書店 (茅場町)
2018 第11回「手業展」同時開催「福岡陽子写真展『Biblioscenery / ビブリオシナリー』」

   Gallery幹 (京都)
2018 「Biblioscenery / ビブリオシナリー」友愛診療所 (京都)
2019 「Biblioscenery / ビブリオシナリー」Art Gallery M84 (東銀座)
2021 G.I.P. Selection 福岡陽子 写真展「見ているきみがぼくなのだ」space2*3 (日本橋本町)
2023 「記憶術」JINEN GALLERY(日本橋小伝馬町)

2043 「パリンプセスト」JINEN GALLERY(日本橋堀留町)
■ おもな受賞歴
2015 『御苗場 vol.16 横浜』エプソン賞受賞

2017 写真展『アートの共演 2017睦月』フレームマン賞受賞
2020 写真展『アートの共演 2020明春』G.I.P. Tokyo賞受賞
2021 写真展『アートの共演 2021風花』M84賞受賞
2022 『芦屋写真展』佳作

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© 2024 Yuna Fujimoto, Aoi Morishita                 

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JPG's FAVE #3  藤本祐菜 × 森下葵衣

『 見えないものを見ようとする時、深淵もこちらを見ている 』

2024年7月2(火) 2024年7月14日(日) ※12:00-19:00(日曜17:00迄)  月曜休廊

Jam Photo Galleryが注目の新進写真家をピックアップする JPG’s FAVE。大和田良が推薦する第3回目となる今回は、現在東京工芸大学芸術学部で写真を学ぶ森下葵衣と藤本祐菜の展示を行います。人物やモノを中心的なモチーフとしてきた森下と、自然風景や現象を観察しつつ写真を構成する藤本には、共に感情や感覚の揺らぎに注目して表現を行う点で共通した視点が見られます。山形と長野、生まれ育った地域は離れていますが、それぞれの写真群とそれらが並置された空間からは世代特有の視座とも言えるものが感じられるでしょう。穏やかなだけでなく、不安や懐疑、焦燥を孕んだ二人の世界の見方からは、現代において写真表現を模索し続ける今の写真家の取り組みが見ていただけると思います。初の二人展ともなる今回の展示をこの機会に是非多くの方にご覧いただければ幸いです。

藤本祐菜 ふじもとゆうな

2002年 長野県出身 東京工芸大学芸術学部写真学科4年在籍

クラムボン 2023

クラムボンは宮沢賢治の「やまなし」という物語に出てくるものだ。「やまなし」は二枚の幻燈、つまり写真から作られた物語である。写真から書かれた物語を読み、物語から写真にする。言葉での表現と写真での表現それぞれの特性を活かし補い合うことで、より解像度の高い「やまなし」を作り出すことを目指した。クラムボンという生き物は存在しない。しかし、ぬいぐるみに名前をつけるように宮沢賢治は何かにクラムボンと名付けたと考えた私はクラムボンを探した。川を覗き・眺め・入り見えてきたクラムボン像を写真に残した。

森下葵衣 もりしたあおい

2002年 東京都出身 東京工芸大学芸術学部写真学科4年在籍

『願いの正体 2023』
幸せの象徴として、何を思い浮かべるか。四つ葉のクローバーは、クローバーの変異体であり、10万分の1と言われている。見つけると幸せになるというジンクスが希少性の面から生まれた。一方で魔除けの意味を持つ十字架に似ていることやアイルランドの伝説から由来しているのではないかと言われている。幸せの象徴と言われているモチーフ、事象に焦点を当て、私たちは物事を違和感なく受け止めていること、感覚的に捉えてしまうこと、影響されやすいということを提起し、ものに対する意味や既成
概念を問い直そうと考えた。幸せには絶対的基準というものはなく、 抽象的で相対的なものである。幸せの象徴と言われるものは具体的で親しみのあるものの由来は広く知られていない。しかしそれらが多くの人々にとって共通認識として存在するのだ。幸せのモチーフは幸せなのか。幸せのモチーフとは、ある人にとっては意味のないもので、ある人にとっては意味のあるものだ。他の物事と変わりないはずだ。多義性や逆説、隠喩といった要素を入れて、曖昧な境界の中でイメージがどのような問いをもたらすのかを考える。

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